他者の追随を許さない圧倒的な強さと可愛さ。
アナベルはそのとき確かにテイルズウィーバーの頂点にいた。
時代の寵児だった。
資産なしでも戦えるクマイス。
一世風靡した持続系範囲攻撃テスラ。
オンリーワンの仕様を持つアナベルは黄金時代を迎えていた。
しかし、2013年のファン感謝祭で転機が訪れる。
アップデート情報が次々発表される中、
ネクソンが最後に用意したサプライズは、
「新キャラクターベンヤの実装」だった。
その愛らしい姿に湧きあがる来場者の大歓声。
その瞬間、アナベルの中で何かが音を立てて崩れ始めた。
アナベルとベンヤ。
二人の物語はここから始まったのだ。
ファン感謝祭で巻き起こったベンヤ旋風にアナベルはその本性を現した。
テイルズウィーバー公式ツイッターの担当でもあったアナベルが、
怒りに任せてツイートし始めたのだ。
ヒートアップしていくアナベルのツイート。
しまいには、支離滅裂なアナベル連呼ツイートが始まり、
最後は運営チームの手によって公式ツイッターから降板させられた。
ベンヤが迎えた初めての誕生日。
彼女なり試行錯誤しながら、一生懸命に誕生日パーティを準備した。
全ては、みんなと楽しい思い出を作るため。
そんな健気なベンヤの頑張りに、なんとアナベルはケチをつけ始める。
ひどい暴言を吐いている。
ベンヤの誕生日から一夜明けた2014年4月1日。
世間がベンヤ一色に染まっている中、アナベルは悪戯を思いつく。
ベンヤのためと偽って、モンスターに変身するアイテムを無料で販売し始めたのだ。
アナベル「一日遅くなったけどアナベルからの誕生日プレゼントだよっ」
ベンヤ「私にくれるの!?ありがとう~」
アナベル「これは使うと無敵になっちゃうバフスクロールなんだからね。」
ベンヤ「わかった。」
人を疑うことを知らないベンヤはすぐに使ってみる。
アナベル「あっはは~引っかかった。」
ベンヤ「・・・」
ベンヤ「これすっごくおもしろいね!!ありがとうアナベル!!」
人として敗北した瞬間であった。
イサックがベンヤにアイスクリームを買ってあげていた。
あのイサックが、アナベルじゃなくて、ベンヤにアイスクリームを買ってあげていたのだ。
イサックはアナベルの物なのだ、そんなことは絶対に許されない。
感情が爆発したアナベルは、危ない発言をしてしまう。
テイルズウィーバーで最高にカワイイはずだったアナベルは、
もはや、ただの駄々っ子となってしまった。
アナベルとベンヤの物語は、アナベルの敗北の歴史だった。
しかし、そんな折アナベルはついに二次覚醒を手に入れることになる。
みなぎる力、あふれる自信。
完全復活したアナベルはイサックを言葉巧みに仲間に誘い、カリル邸で一世一代の悪戯を仕掛けようとする。
全てを取り戻すための戦いがいま始まるのだ!