去年末に表面化した冷凍食品農薬混入事件の犯人が逮捕された。
逮捕されたのは 8 年前に契約社員として入社した 49 歳の男であった。
男は『覚えていない』と容疑を否認しているが、『給料が安くてやっていられない』と愚痴を零す様子を周囲の人物は聞いていたという。
給与・待遇に不満を持ち、歪んだ手口による犯行に及んだ容疑者が悪いという意見もあれば、正規雇用しなかった企業が悪いという意見もあり、見事に分かれている。
職場に不満を持って犯行に及ぶような人間も珍しくはないが、このような
状況を作り出したのは一体誰だ ?
また、職場への不満が動機となって犯行に及ぶのなら、一体どれほどの犯罪者が生まれるのであろうか。
俺が嘗て働いていた時も、決して良き職場環境とは言えず、給与・待遇に不満はなかったが、人間関係に問題があった。
俺が勤務していた会社が潰れたのはこれが原因であるという説が有力である。
俺はこれに先駆ける形で懲戒解雇処分を受けたのである。
何も悪いことをしておらず、上層部の感情・腹癒せのみでこのような処分を受けるのだから、事件・:事故を起こしたらどんな処分を受けるかは最早分かったものではない。
今でこそ彼女の財産で生活しているが、必死に努力しても就職できない者はそこらじゅうにいる。
どんなに不満があっても仕事があるだけでも有難いと思わなければならない時代なのである。
最近は景気の回復を実感した企業も出始めているようだが、それは大手企業のほんの一握りでしかない。
景気回復の実感が全国津々浦々に広がるのは当分先と言えよう。
兎に角、どんなに底辺でも仕事がある者はそれを尊重して生活していかねばならぬのである。